オールカマーには秋の中距離GⅠを見据えた古馬が集まり、ここを始動戦に選ぶGⅠウイナーの出走も見られる。近年では2015年優勝のショウナンパンドラと2018年優勝のレイデオロが、それぞれ同年秋に自身2つ目のGⅠタイトルを獲得した。また、昨年は夏の重賞で好走を続けていたジェラルディーナがここで重賞初勝利を飾り、続くエリザベス女王杯でGⅠウイナーの仲間入りを果たした。ここを勝って、秋のGⅠ戦線に名乗りを上げるのはどういった馬か。新潟競馬場で行われた2014年を含む過去10年の結果から、好走馬に共通するポイントを探っていく。
過去10年の単勝人気別成績を見ると、1番人気馬は2019年から4年連続で4着以下に敗れており、好走率もやや物足りない数値となっている。5番人気→6番人気→7番人気の順で決着した2022年を筆頭に、5番人気から9番人気の馬が頻繁に馬券に絡んでいるが、3番人気以内の馬がそろって馬券圏外に敗れたのは過去10年で2022年の1度だけ。3着が1回あるのみの2桁人気馬までケアする必要はなさそうだが、人気通りの決着が少ないことは覚えておきたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
2番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 1-3-3-3 | 10.0% | 40.0% | 70.0% |
4番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
5番人気 | 3-1-0-6 | 30.0% | 40.0% | 40.0% |
6〜9番人気 | 1-2-4-33 | 2.5% | 7.5% | 17.5% |
10番人気以下 | 0-0-1-47 | 0% | 0% | 2.1% |
冒頭で挙げた2015年のショウナンパンドラ、2018年のレイデオロ、2022年のジェラルディーナはいずれも4歳時の勝利だった。この3頭を含め4歳馬は過去10年で11頭が3着以内に入り、3着内率45.8%をマークしている。3着以内馬の頭数では5歳馬が14頭でトップに立ち、これらで馬券圏内の8割以上を占めている。6歳以上の馬は過去5年に限ると、2021年のグローリーヴェイズ(3着)しか3着以内に入っておらず、近年は特に若い世代の活躍が目立っている。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 4-5-2-13 | 16.7% | 37.5% | 45.8% |
5歳 | 5-3-6-37 | 9.8% | 15.7% | 27.5% |
6歳 | 1-2-1-28 | 3.1% | 9.4% | 12.5% |
7歳以上 | 0-0-1-30 | 0% | 0% | 3.2% |
近年は牝馬が出走機会4連勝中で、ワンツーフィニッシュも過去10年で3回を数える。昨年はワンツーこそならなかったが、5番人気のジェラルディーナが1着、7番人気のウインキートスが3着に入り、3連単24万円超の波乱を演出。今年も牝馬の出走があれば押さえておいて損はないだろう。〔表3〕
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 5-6-9-96 | 4.3% | 9.5% | 17.2% |
牝 | 5-4-1-12 | 22.7% | 40.9% | 45.5% |
過去10年の前走別成績を調べると、海外G1から臨んだ馬は出走数こそ多くないものの、3着内率60.0%と好成績を挙げている。前走が国内GⅠだった馬も3着内率34.4%と好調で、天皇賞(春)から臨んだ馬が2勝を挙げ、マイルGⅠだった馬も3連対をマーク。前走が国内GⅠだった馬については、そこでの距離は不問と考えてよさそうだ。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 5-4-2-21 | 15.6% | 28.1% | 34.4% |
GⅡ | 0-2-3-21 | 0% | 7.7% | 19.2% |
GⅢ | 4-2-1-45 | 7.7% | 11.5% | 13.5% |
オープン特別 | 0-0-3-11 | 0% | 0% | 21.4% |
3勝クラス | 0-1-0-5 | 0% | 16.7% | 16.7% |
海外G1 | 1-1-1-2 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
上記以外 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
一方、GⅢ組はサマー2000シリーズから転戦してくる馬が多いこともあり、前走が芝2000メートルだった馬が大半を占めている。さらにそこで3着以内に入っていた馬は、勝率15.8%、連対率26.3%と好走率が大幅にアップするので、該当馬がいれば注目したい。〔表5〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 3-2-0-14 | 15.8% | 26.3% | 26.3% |
4着以下 | 1-0-1-23 | 4.0% | 4.0% | 8.0% |
〔表2〕で触れたように4歳と5歳の優勝が多く、2015年以降の優勝馬8頭は全て4歳か5歳だった。この8頭を見ていくと、2016年のゴールドアクターを除く7頭には芝2200メートルのGⅠ・GⅡで掲示板に載った(5着以内に入った)実績があった。この距離の重賞にめどを立てているかどうかも、優勝候補を選ぶ際の判断材料になりそうだ。〔表6〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 年齢 | 主な芝2200m重賞での実績 |
---|---|---|---|
2015年 | ショウナンパンドラ | 4歳 | 宝塚記念(GⅠ)3着 |
2016年 | ゴールドアクター | 5歳 | 出走なし |
2017年 | ルージュバック | 5歳 | エリザベス女王杯(GⅠ)4着 |
2018年 | レイデオロ | 4歳 | 京都記念(GⅡ)3着 |
2019年 | スティッフェリオ | 5歳 | セントライト記念(GⅡ)4着 |
2020年 | センテリュオ | 5歳 | エリザベス女王杯(GⅠ)4着 |
2021年 | ウインマリリン | 4歳 | エリザベス女王杯(GⅠ)4着 |
2022年 | ジェラルディーナ | 4歳 | 京都記念(GⅡ)4着 |
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