今週の注目レース

札幌2歳ステークス(GⅢ)

札幌競馬場 1800メートル(芝)馬齢 2歳オープン

データ分析

北海道開催最後の重賞は2歳の出世レース

夏季開催の最終週に行われる札幌2歳Sには、年末のGⅠや翌年のクラシックを目指す素質馬が集う。2020年優勝のソダシは阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞を制したあと、古馬になってからも活躍を続けたことは記憶に新しく、同年2着のユーバーレーベンは翌春にオークスを制覇。2021年の覇者ジオグリフも皐月賞を制するなど、ここ数年だけを見てもトップホースを続々と送り出している一戦だ。過去10年の結果を分析し、その特徴を探ってみたい。

オープン特別組と新馬組を評価

過去10年の前走別成績を見ていくと、3着内率はオープン特別組が最も高い。大多数はクローバー賞またはコスモス賞からの臨戦で、そこで連対していた馬は〔1・3・2・7〕と半数近くが馬券に絡んでいる。なお、3着以内馬の数では30頭中17頭を新馬組が占めているので、デビュー戦を勝利した直後の馬も上位に評価したい。〔表1〕

〔表1〕前走別成績(過去10年)
前走 成績 勝率 連対率 3着内率
GⅢ 0-0-0-3 0% 0% 0%
オープン特別 1-3-3-18 4.0% 16.0% 28.0%
新馬 5-5-7-55 6.9% 13.9% 23.6%
未勝利 4-2-0-22 14.3% 21.4% 21.4%

新馬組は競馬場に注目

前項で触れた新馬組を掘り下げると、過去10年で東京デビュー馬は6頭が出走して2勝2着1回と半数が連対。函館デビュー馬も2勝を挙げている。一方、札幌デビュー馬が勝てていないことは気に留めておきたい。〔表2〕

〔表2〕前走が新馬戦だった馬の、前走の競馬場別成績(過去10年)
前走の競馬場 成績 勝率 連対率 3着内率
札幌 0-2-3-23 0% 7.1% 17.9%
函館 2-1-2-14 10.5% 15.8% 26.3%
新潟 1-0-0-3 25.0% 25.0% 25.0%
東京 2-1-0-3 33.3% 50.0% 50.0%
その他 0-1-2-12 0% 6.7% 20.0%

未勝利組はデビュー戦の着順をチェック

未勝利戦を勝って臨む馬も侮れず、5勝中4勝はここ6年で挙げたものとなっている。また、そのうち3勝は新馬戦で2着に入っていた馬によるもので、新馬戦で2着だった馬は勝率60.0%と出色の成績を残している。しかも、2018年に勝ったニシノデイジーと2019年に勝ったブラックホールはともに単勝オッズが20倍台後半での優勝だった。同様の成績で臨む馬は、たとえ評価が低くても軽視禁物だろう。〔表3〕

〔表3〕前走が未勝利戦だった馬の、新馬戦での着順別成績(過去10年)
新馬戦での着順 成績 勝率 連対率 3着内率
2着 3-1-0-1 60.0% 80.0% 80.0%
3着以下 1-1-0-21 4.3% 8.7% 8.7%

騎手が継続して騎乗する馬が中心

過去10年の優勝馬はいずれも前走と同じ騎手が騎乗していた。2着と3着も同じ騎手が騎乗した馬が過半数を占め、2014年11番人気のマイネルシュバリエ、2016年10番人気のブラックオニキスを2着に導いたのも前走から継続して騎乗した騎手だった。〔表4〕

〔表4〕騎手別成績(過去10年)
騎手 成績 勝率 連対率 3着内率
前走と同じ 10-7-7-58 12.2% 20.7% 29.3%
乗り替わり 0-3-3-40 0% 6.5% 13.0%

一方、乗り替わりとなった馬が下位人気だった場合は好走例が乏しく、単勝5番人気以下では〔0・0・1・32〕と、3着内率が3.0%まで下がってしまう。また、前走が札幌以外だった馬が乗り替わった場合も〔0・0・0・21〕と好走できていない。裏を返せば、乗り替わりでも4番人気以内、かつ前走も札幌だった馬は軽視禁物。該当馬は〔0・3・2・2〕の成績で、3着内率は71.4%に達している。〔表5〕

(高那実 マヤ)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表5〕乗り替わりで3着以内に入った馬の単勝人気および前走の競馬場(過去10年)
年度 着順 馬名 単勝人気 前走の競馬場
2014年 3着 レッツゴードンキ 7番人気 札幌
2015年 2着 プロフェット 1番人気 札幌
2017年 2着 ファストアプローチ 4番人気 札幌
2018年 3着 クラージュゲリエ 1番人気 札幌
2020年 3着 バスラットレオン 1番人気 札幌
2023年 2着 パワーホール 4番人気 札幌

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

ページトップへ戻る
表示モード: