今週の注目レース

神戸新聞杯(GⅡ)

阪神競馬場 2400メートル(芝・外)馬齢 牡・牝 3歳オープン

出走馬情報

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牡3歳

調教師:武井亮(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ナスノシベリウス
  • 母の父:Unbridled's Song
ここに注目!

デビュー戦(中京)から左回りを選択し、その成績は〔1・1・2・0〕。一方、右回りではホープフルSが7着、若葉S(リステッド・阪神・芝2000メートル)が4着と、能力に見合わない結果となっている。右回りでも長い直線なら違うのか、試金石の一戦となる。

ダービー候補との高い評価を受けながらも収得賞金加算に苦しみ、前々走の青葉賞出走時は1勝馬の厳しい立場だった。だが、ダービーへのラストチャンスだった一戦で2着に入って大舞台への優先出走権を獲得すると、次走の日本ダービーでは秘める素質が見事に開花。勝ったタスティエーラとは同タイム、着差もクビ+ハナの惜しい3着に入った。前走皐月賞組が強いと言われ、実際に上位を占めた日本ダービーにおいて、唯一の前走青葉賞組の好走。インパクト十分のパフォーマンスだったと言えるだろう。この中間は栗東トレーニング・センターに滞在して調整するなど、意欲満点の臨戦過程。重賞初制覇を期待したいところだ。

牡3歳

調教師:西村真幸(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:ルパンⅡ
  • 母の父:Medaglia d'Oro
ここに注目!

8月後半から栗東CWコースで追い切りを消化。1週前にはラスト1ハロン11秒2の鋭い伸びを披露した。もともと仕上げに手間取るタイプではないが、ここまでの調整過程は非常に順調。能力通りの走りが期待できそうだ。

2月の共同通信杯で重賞初制覇を飾り、1番人気に支持された皐月賞では直線で馬群を縫うように追い込んで3着に入った。世代トップクラスの実績を持っている一頭で、実際に前走の日本ダービーでも3番人気の高い支持を受けたように、ファンの評価も非常に高い。その日本ダービーは8着に敗れたが、これは流れが落ち着き、ポジションを上げきれなかったことが響いたもの。それでも、距離ロスのある外の進路取りで勝ち馬タスティエーラから0秒4差なら、着順ほど悪いイメージはないはずだ。秋初戦となる今回の一戦で、あらためて力量を示したい。

牡3歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:サトノダイヤモンド
  • 母:チェリーコレクト
  • 母の父:Oratorio
ここに注目!

春との比較で馬体に芯が入り、フットワークに力強さも増してきた。坂の下りでスムーズな加速ができる京都・外回りコースに向いたタイプではあるが、現在の成長度合いなら阪神・外回りの瞬発力勝負にも対応可能だろう。

デビューした当初から“菊花賞向き”との評価を受けていた馬。それは長距離適性だけでなく、成長度合いも加味してのものだった。そのような背景を考えれば、距離不足だった未勝利(阪神・芝1800メートル)での勝ち上がりは素質の高さを示すもの。連勝した3走前の1勝クラス・ゆきやなぎ賞(阪神・芝2400メートル)と前々走の京都新聞杯で見せた勝負どころでの反応の遅さは、今後の成長とともに解消されてくると考えていいだろう。父サトノダイヤモンドの初年度産駒で、最初のJRA重賞勝ち馬。菊花賞父仔制覇に向け、前哨戦でも好結果を残しておきたい。

牡3歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:デルフィーノ
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

父はスプリント王のロードカナロアで、本馬のここまでの成績は2000メートルまで。母の父がハーツクライで、距離をこなせる母系でもあるが、2400メートルへの距離延長が一番の課題となるのは間違いない。折り合いをしっかりとつけたいところだ。

近親に重賞2勝馬ダノンバラードがいるロードカナロア産駒。デビュー戦から3戦3勝と負け知らずの戦績だけでなく、3戦全てで上がり3ハロン33秒台(推定)をマークした瞬発力が最大の武器だ。外傷明けで約6か月半ぶりのレースとなった前走の2勝クラス・赤倉特別(新潟・芝2000メートル)は、2番手でしっかりと折り合いをつけ、追い出しを我慢する盤石の内容。2着シーウィザードとの差はクビでも、力の違いを感じさせるパフォーマンスだった。難しい状況の復帰戦を制し、1度使った上積みも見込める状況での重賞初挑戦。既存勢力に割って入る可能性は小さくないはずだ。

牡3歳

調教師:久保田貴士(美浦)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:エバーシャルマン
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

馬体に芯が入り切っていなかった今春は、その成長度合いで上位陣との差を感じた。母の父が晩成タイプのハーツクライという血統からも、夏を越えての成長力がポイントになりそうだ。当日のパドックに注目したい。

前々走の毎日杯で重賞勝ちを果たしているドゥラメンテ産駒。距離こそ違うが、今回と同じ阪神・芝の外回りコースでタイトルを獲得している点は強調材料だろう。初のGⅠ挑戦となった前走の日本ダービーは勝ったタスティエーラから0秒4差の7着に敗れたが、今回もライバルとなるファントムシーフ(8着)には先着。外枠(7枠13番)からのスタートだったこともあって、道中で前に馬を置いて走ることができなかったレース運びを考えれば、その内容は悪いものではなかったはずだ。経験値を上げて迎える今回のレースで、存在感を示しておきたい。

牡3歳

調教師:大竹正博(美浦)

  • 父:グレーターロンドン
  • 母:ムーンハウリング
  • 母の父:メジロマックイーン
ここに注目!

札幌コースも上手に走ったが、フットワークが大きく、本質的には広いコースに向くタイプ。阪神へのコース替わりは悪くないはずだ。一方、速い上がりが要求される勝負には若干の不安も。レースの上がり3ハロンタイムが34秒台までの決着が望ましいだろう。

マイラーだったグレーターロンドンの産駒だが、本馬の特徴は母の父であるメジロマックイーンの影響を感じさせるもので、芦毛の馬体だけでなく、距離の適性も祖父譲り。陣営もデビュー2戦目から2400メートルを選択するなど、早い段階で得意な条件を認識していたようだ。近3走は未勝利(東京・芝2400メートル)、1勝クラス(東京・芝2400メートル)、2勝クラス・阿寒湖特別(札幌・芝2600メートル)と長めの距離に絞って3連勝。特にタフな洋芝で差し切り勝ちを決めた阿寒湖特別には、ステイヤーとしての資質の高さが感じられた。今回はもちろん、本番の菊花賞でも注目したい一頭だ。

牡3歳

調教師:宮徹(栗東)

  • 父:ゴールドシップ
  • 母:マイネボヌール
  • 母の父:ロージズインメイ
ここに注目!

調整に苦しんだ春と違い、今回は極めて順調な調整過程。1週前には栗東CWコースで6ハロン77秒9の好時計をマークするなど、目立つ動きを見せている。直線勝負ができる外回りコースもプラス材料となるはずだ。

年明けに2勝目を挙げた後は、挫石のため弥生賞ディープインパクト記念を見送り、筋肉痛で毎日杯も回避。前々走の皐月賞での14着は難しい調整を強いられた面もあったのだろう。詰まった日程での参戦を決めた京都新聞杯でも5着に敗れたが、これは勝負どころでポジションを上げていけず、仕掛けるタイミングが遅れたことも響いた敗戦。上がり3ハロン33秒2(推定)のタイムが出走馬中最速の数字であったことを考慮すれば、あらためて力量を示したと言えそうだ。距離が延びて良さが出るタイプが多いゴールドシップ産駒。トライアルで是が非でも菊花賞の優先出走権を獲得したいところだ。

牡3歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:スノーパイン
  • 母の父:Dalakhani
ここに注目!

ゲートが安定しておらず、ゆえにポジションを取るためには少し仕掛ける必要があるかもしれない。上手に折り合えるかどうかがポイントの一つ。経験したことのない右回りの克服も必要だろう。初の重賞でどこまで戦えるのか、注目だ。

名馬ジェネラスを産んだDoff the Derbyを祖に持つ牝系の出身で、本馬の半兄はスプリントGⅠ勝ち馬のタワーオブロンドン(父Raven's Pass)。血統的な魅力は大きく、父がハーツクライの本馬は、兄と異なり中距離志向の強い戦績となっている。前々走の1勝クラス・新緑賞(東京・芝2300メートル)、前走の2勝クラス・木曽川特別(中京・芝2200メートル)と条件クラスを連勝中。今回は未知の2400メートルになるが、これまでのレースぶりから問題ないはずだ。本レースを目標に、栗東トレーニング・センターに入厩して順調な調整。初の重賞でどこまで戦えるか、期待は大きい。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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